第3章 リコ視点 「Megami Bicycle」より

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私が困っていると、アキラがきっぱりと言った。 「どっちも彼氏!」 ドヤ!とか、あるいはファイナルアンサー!とか、一昔前のセリフがつきそうな断言っぷり。 ええ?アキラは帰国子女だから、ゲイカップルだと思ったのかも知れないけど…… 「ってか、どっちかが彼女なの?」 思わずずけずけと聞いてしまう。 「……さぁ?」 「さぁ?じゃねーし!霧島、お前ほぼ初対面の相手をからかい過ぎ! ……あー、ごめん。こいつ、女だから。俺が、かっ………………彼氏、です。」 「……何おまえ、それだけ言うのに照れてんの?」 「う、うっせー!てめぇが、最初に真面目に答えねぇからこうなってんだろっ!!」 「おんなのこ……」 「女の子?」 「オンナノコ!」 私とアキラは何度か確認した。 しかし、二人のやりとりはまあ、恋人同士のそれ以外の何物でもない。
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