第3章 リコ視点 「Megami Bicycle」より

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その後、私も歩ちゃんも難なく決勝へ駒を進めた。 あー。大きいな。やだな。うまそう。……かっこいい。 女の子とのマッチアップではあんまり負けたことがない私。 けど、歩ちゃんって色々なことが規格外……! 私の不安をよそに、あっという間に決勝戦が始まる。 「リコちゃん!俺にアミメ肉を持って帰ってきて!」 商店街のお遊びなのにナーバスになっている私に気づいてか無意識か、アキラが無邪気に励ましてくれた。 ……相変わらず犬みたい。 ボールを持って歩ちゃんと対峙すると、闘志のオーラのようなものが見える。 この雰囲気……公式戦以来の緊張感じゃない!? まず、ドリブル……一瞬でも気が抜けない。 なんとなくわかる。 自分と相手の技術力。おそらく、そんなに変わらない。 でも…… 私がシュートを打つ。 ……ボコン、ゴールのリングにはじかれたボールを、歩ちゃんがすかさず奪う。 私も同じようにジャンプしているのに、いとも簡単に。 そのまま彼女がシュート。 ダムッ、バックボードがいい音を響かせ、ボールがリングに吸い込まれた。
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