第3章 リコ視点 「Megami Bicycle」より

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ひゃああああ!話しかけられちゃった!! 瞬間、私の顔は明らかに紅潮していたと思う。 だって、その金髪の彼のことをさっきからかっこいいなと思っていたから。 1歳年下の彼、アキラと珍しく会えたので、ぶらり商店街デートをしていた時。 彼が人だかりのしているお肉屋さんでなんとなく足を止めたんだ。 その時、人が多すぎて見えなかったポスターを、代わりに読んでくれた人。 私は高2女子の中でも背が高い方だとは思う、でもさらに10センチぐらいは大きいかな? スラッとしていて、とにかく綺麗な顔。 でも男くさい感じではなく、その金髪なんかはサラサラと柔らかそうで、繊細な印象も受ける。 ……不思議な魅力のある人だ。 「ああがっ、ありがとうっ」 ……やば。噛んだ。 焦りながら笑顔を返すと、微笑み返してくれた。 うわっ。こんな顔するんだ。 思わず照れながら視線を下にはずすと、一緒にいる男の子と手をつないでいるのが見えた。 お肉屋さんの前でアキラが最初に話しかけた、優しそうな黒髪の子だ。
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