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それから暫しの静寂が流れ、その沈黙を破るように再び真が口を開いた。
「んで、これからどうする?」
真はなんとも言えない焦燥感のようなものを抑えつけて質問する。
「んー。とりあえず腹減ったから家帰ろうぜ」
落ち込んでいる割には発想がいかにも春らしい。
「はあ。そういうこと言ってんじゃねえよ」
真は心底呆れたように呟いた。
「だって今あんま考えれねえし。とりあえず食いながら考えよ?」
春はにこにこ笑いながら首を傾げる。
結局真はそれに同意して、二人は学校を後にした。
* * *
自宅に着いた二人はひとまず昼食をとろうということになり、真が炒飯を作った。
春はそれを食べ始めると同時に口を開く。
「やっぱ今の俺らじゃあいつらには勝てねえから、まずは一年シメようぜ。その後のことはまたそん時考えりゃ良いだろ」
春は先ほどの真の台詞を思い出しているのか、何か考えているような表情で呟いた。
その口調や表情は普段の春と遜色なく、先ほどのことは自身の中で整理がついたというのが分かる。
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