始めての……

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「そうだな。俺はお前についてくよ」  真はなんとも適当な言葉を返した。まだ気持ちが落ち着いていないのだろうか。 「よし、んじゃ明日から早速作戦実行だー」  春は真の返事が適当なことなど気にも止めずにテンション高々に言い放つ。  そしてにこにこしながら炒飯を平らげる春。結局この日は教習所には行けなかったのだった。      * * *  それから一夜明けた翌日。昼休みの賑やかな教室内で、春は相変わらずのテンションで真に話しかける。 「よーし。んじゃメシも食ったし早速行くぞ」  満面の笑みで話す春に、真は無表情のまま視線だけ春に向けて「ああ」と返した。  実は春、作戦実行という言葉以外真に何も伝えていない。そのため真からしてみれば、春がこれから何をするつもりなのか具体的に掴めていないのである。  真も、春が一体何を仕出かすのかが楽しみであえて聞かなかったようだ。
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