千年に一度の大宴祭

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優しく灯る静かな星と 笑みを浮かべる満月の月明かり 太陽昇らぬ夜の世界 佇むは夜の神「カノン」  今宵夜の世界では 千年に一度の大宴会 歓月祭の年である しかし今宵はいつもと違う 宴の始まり報す鐘の音 腹を減らした音食い虫に 宴の鐘の音食べてしまう これでは宴は始められず 千年ずっと待っていた 夜の住人は考える 眠る羊は寝言で答えた 『大きな楽器を使ってみては?』 しかし大きな夜の世界 どんなに大きな楽器でも 世界の全てに聞こえはしない 次に名無しのピエロが答えた 『鐘の修理をしてみては?』 歯車仕掛けの修理屋は 夜通し宴の準備をし 疲れた修理屋眠りにはいり 歓月祭のその時までは 店は休みにはいってる
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