プロローグ

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「はぁ…はぁ…はぁ…」 走ること約10分。ようやく建物も何も無い所についた。ここまで走ってよかったのだろうか?もっと前では無いのだろうか?という無駄な不安にかられ心は穏やかではなかった。 「ここまで来たけどどこに行けば良いんだよ…あのおっさんに聞いときゃよかった…」 僕が後悔をしても後の祭りだということは分かっている。だが、言葉に出せば少しは気が楽になる時だってあるのだ。そう思いながら1人で歩く国道にさっきの化け物が姿を現した。 「アギャギャギャギャ!!」 その化け物の目の部分には深い切り傷、そして身体中には大量の切り傷と銃痕が痛々しくあった。 「こ、こいつ…あのおっさんと戦ってた化け物か!じゃあおっさんは……死んだ、のか?」 化け物に無意味な質問をする。化け物はまるで殺したと答えたかのように嬉しそうに吠えた。そして僕を餌と認識したのか直ぐに飛びかかってきた。大きな口が目の前に見える。とても大きな口。そして僕はそいつに食われた。
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