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「オボボボボボ…」
次に化け物は撃たれて身体に入った筈の銃の弾を大量に吐き出した。だが、ダメージは食らっているはずだ。そうでなければこのおっさんはこんな事するはずがない。
「チッ…新種かよ。これだけ撃って死なないとなると、防御型のタイプか?」
おっさんは少し考えた後、俺の手を握り走り出した。
「ど、どこ行くんですか!あの化け物はどうするんですか!」
僕の質問に帰ってきた言葉は一つだった。「走れ。」その一言は今までに聞いたどんな言葉よりも重い言葉だった。
「どこまで走るんですか!教えてくださいよ!僕にだって知る権利がある筈だ!」
ニュースで良く聞く覚えたての単語を言葉に練り込んで使ってみる。するとおっさんはまた考えて走るのをやめた。
「たく…最近のガキは何考えてるのかまったく分からねぇ。いいか?一つだけ教えといてやる。あの化け物に食われたくなかったら走れ。走り続ければ答えは自ずと見えてくる。」
おっさんはそう言うと、すぐにまた走り出した。僕もそれに続き走った。僕は化け物に食われたくないからだ。当たり前だろう。
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