病院送りになりました

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纏まった荷物を持って部屋を出ると、就寝時間を過ぎていたのに、班のメンバーが全員起きていた。 先生の許可が降りたのだろうか。 入口付近で勝呂先生が待機している。 「黎!病院行くって、大丈夫なのかよ!?」 拓実が心配そうに尋ねてくる。 「ああ、大丈夫。悪いな、リタイアでさ。皆は頑張ってくれよな?」 そう言うと拓実も透も、気にしなくて良いから早く元気になれよ、と言ってくれた。 けど上総は無言。 気まずいまま、じゃあな、と上総の横を通り過ぎて入口に向かう。 と、手を掴まれた。 「馬鹿黎。早く元気になってまた勉強教えろよな」 振り向けば俯いたまま上総が言うから、戻って、掴まれて無い方の手で頭をポンポンしてみる。 「此処での学習予定のノートを纏めてあったけど、使うか?なら置いてくけど」 荷物の中から出て来た予習ノートは解りやすく纏まってたから、上総の為の物だったのかもしれないな。 そう思い聞いてみる。 「お前、上から生意気。勿論ノートは貸せ。使ってやる」 その物言いに、笑みが溢れる。 「どっちが生意気だよ?別に無理に使う事は無いんだぞ?」 すると上総はキッと顔を上げ、さっさと寄越せ!と掌を上に向けて差し出した。
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