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「いやー、折角の自由行動なら、上総と黎とのイチャイチャを是非とも拝みたいと思ってな、上総に黎の居場所を聞いてたんだよ」
「そしたら勝呂っちから黎の様子を見てこいって此処の地図を渡されてさ。まさか理事長の別荘に居るとは驚いたよ」
此処に居る説明をする透と拓実に苦笑いを返すと。
「保護者が理事長だって吹聴しないのが黎らしいよな」
と透。
「そうそう、俺だったら威張っちゃうかもよ?」
ヘラっと笑う拓実。
「お前なぁ、威張るなら自分の実力で威張れよー、情けないぞー」
呆れた様に言う上総。
「いやいや、かも、だから!実際にそうだったらやっぱり隠すかもだし!」
慌てて返す拓実に、今度は透が、どーだかなー?白い目を向ける。
「だあぁー、俺はそんな奴に見えるのかぁぁ」
頭を抱える拓実に、見える見えると透と上総が笑う。
そんな何時もと変わらないやり取りに、思わず笑みが零れた。
さっきの乱闘に触れずに、俺を和ませる様におどけてくれる彼等に、涙が出そうになった。
「お、黎も笑ってるか、やっぱりそう思うよな?」
透が言うから、どうだろな?と返す。
「意外と拓実は家柄とか持ち出す奴を嫌ってるから」
俺の言葉に、そうだよな!やっぱり黎はわかってるね!と喜ぶ拓実。
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