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「なら支度をしないとね」
瑞希姉さんは俺を立たせると、皆にちょっと待っているように告げ、俺の部屋に。
「さあ、デートだもの、可愛くしなくちゃね」
瑞希姉さんはクローゼットを開けて、何時の間にか増えている洋服の中から、服や小物を選び出す。
「上は締め付けないようにゆったりしたニットで、でも可愛くピンク系で。下はピンクが入ったグレーのチェックのショートパンツにして、ソックスはショートにして足を丸々出しても良いかしら……靴は黒のブーティで……バッグも黒で良いかしらね」
なんて呟き頷きながらベッドに並べてみて、俺に、スカートじゃない方が良いでしょ?と聞いてきた。
それに頷けば、よし、と決まった一式をベッドの上に並べてくれた。
「これに着替えてね。そしたら軽くメイクもしましょうね。学校の子に見付かると面倒ですものね」
なんて言われて、げ、と思ったけど、確かにそうだ。
渋々頷いて、用意された服に着替えるのだった。
「ショートでも可愛い服にしたから、今日はウイッグはしないでピンで留めるだけにするわね。ここでこうして……はい、出来上がり。可愛いわー」
メイクをして貰って髪を弄って貰って出来上がった鏡の中の姿は、ボーイッシュながらもちゃんと女の子女の子したもので。
ええーっ、コレで外に出るのは恥ずかしいんだけど!?
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