第1話-2-2-2

2/18
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
これにより、日本ではジッコの代表が批判されるようになる。 ジッコの自由なサッカーは、規律がなく、チームがバラバラで全然面白くなかった! 日本のFWは、決定的なチャンスで、相手GKにパスを出した! 日本のA級戦犯はFW陣だ!あのFWを使ったジッコの責任だ! なぜ日本人には決定力がないのだ! 彼らのW杯に対する気持ちが感じられなかった! 試合後のインタビュー。 レポーターが倉木のもとに駆け寄って、インタビューを行いました。 レポーター「日本でもたくさんの人達が、応援していたと思います。しかし残念ながら、 目標には届きませんでした。この日本代表の現状を受け止めて、日本国民に対して、何か 一言おねがいします。」 すると飛馬は、急に体の力が抜けたようになって、泣き崩れるようにして、力限りの声 を、振り絞って応えました。 飛馬「、どうも、日本国民に、申し訳ございませんでした……。」 倉木は、一人で立っていられない状態になって、かなりショックを受けています。 ただ「申し訳ございませんでした」という言葉を繰り返すだけで、倉木の口からはこれ 以上の言葉は出ませんでした。 倉木飛馬が、支えられて泣き崩れる様は、カメラを通じて、日本のテレビに流されまし た。 その様子を見た日本国民の反応は、 倉木くんがかわいそう! それくらいの覚悟を持って戦わねば! 何も悪いことをしていないのに! 自分から言い出したことだからしょうがない! 代表戦で負けるということは、選手にも相当な責任が伴ってくるはずだ。これで倉木飛 馬は、責任を取ってフットボーラー引退だな! 2006年のドイツW杯から数日後に、中畑英寿は、正式にサッカー選手を辞めること を表明した。 サッカー選手は、ビジネスライクと言い張った孤高のカリスマは、サッカーしか知らな いフットボーラーにはなりたくないと言って、今でも地球のどこかで、精力的に活動して いる。 中畑は、サッカー以外でも成功するだろう。 しかしその貴重な経験は、自分がサッカー選手だったからこそ、体験できたことだ。 神話のような世界に生きてきた中畑英寿という人間は、ドイツW杯を最後に、プロとし てのユニフォームを、自分で脱いだ。 あまりにも早すぎる引退だった。 そして日本代表チームは、空路で日本に帰ってきました。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!