第1話-2-2-2

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これにより、日本ではジッコの代表が批判されるようになる。 ジッコの自由なサッカーは、規律がなく、チームがバラバラで全然面白くなかった! 日本のFWは、決定的なチャンスで、相手GKにパスを出した! 日本のA級戦犯はFW陣だ!あのFWを使ったジッコの責任だ! なぜ日本人には決定力がないのだ! 彼らのW杯に対する気持ちが感じられなかった! 試合後のインタビュー。 レポーターが倉木のもとに駆け寄って、インタビューを行いました。 レポーター「日本でもたくさんの人達が、応援していたと思います。しかし残念ながら、 目標には届きませんでした。この日本代表の現状を受け止めて、日本国民に対して、何か 一言おねがいします。」 すると飛馬は、急に体の力が抜けたようになって、泣き崩れるようにして、力限りの声 を、振り絞って応えました。 飛馬「、どうも、日本国民に、申し訳ございませんでした……。」 倉木は、一人で立っていられない状態になって、かなりショックを受けています。 ただ「申し訳ございませんでした」という言葉を繰り返すだけで、倉木の口からはこれ 以上の言葉は出ませんでした。 倉木飛馬が、支えられて泣き崩れる様は、カメラを通じて、日本のテレビに流されまし た。 その様子を見た日本国民の反応は、 倉木くんがかわいそう! それくらいの覚悟を持って戦わねば! 何も悪いことをしていないのに! 自分から言い出したことだからしょうがない! 代表戦で負けるということは、選手にも相当な責任が伴ってくるはずだ。これで倉木飛 馬は、責任を取ってフットボーラー引退だな! 2006年のドイツW杯から数日後に、中畑英寿は、正式にサッカー選手を辞めること を表明した。 サッカー選手は、ビジネスライクと言い張った孤高のカリスマは、サッカーしか知らな いフットボーラーにはなりたくないと言って、今でも地球のどこかで、精力的に活動して いる。 中畑は、サッカー以外でも成功するだろう。 しかしその貴重な経験は、自分がサッカー選手だったからこそ、体験できたことだ。 神話のような世界に生きてきた中畑英寿という人間は、ドイツW杯を最後に、プロとし てのユニフォームを、自分で脱いだ。 あまりにも早すぎる引退だった。 そして日本代表チームは、空路で日本に帰ってきました。
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