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ゴキブリが口にホールインワンしてから数時間後。加藤は目を覚ました。
ふらふらと寝かされていたソファーから降り、カーテンで遮られた窓の外を見ようと、緑のカーテンを開く。
外はもうすでに夜の帳が降りており、爛々と夜空では星が輝く。
夜まで気絶していたようだ。
のそのそとテーブルまで移動し、重しに挟まっている紙の存在に気がつく。
その紙には、『お風呂入っているので、入り終わったらお湯を抜いといてbyヴラックボス』と書かれていた。
お風呂か……。入ってみよう。一階のそれらしき扉を開けると、簡単に風呂場にたどり着けた。
スライド式の扉を開け、湯船に掛かる板をどける。風呂桶で湯を掬い、ザバァと頭から被る。
お湯の温度は丁度いい。ゆっくりと湯船に入り、体から力を抜く。
いい湯だなぁ……。加藤がもししゃべる事ができたのならそう言っていただろう。
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