君がいたはずの夏

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太陽の照りつける坂道、昼過ぎの太陽は真上にあるため、日陰が全くと言っていいほどない。 そんな坂道を俺、佐城幸(さたちこう)は自転車を押しながらのぼっていく。 力のない足取りで坂を登り終えた俺はすぐそこにある神社へと向かった。 ここに来た理由、それはこの神社の噂を聞いたからだ。 「会いたい人に会える...」 この神社の裏にある木に自分の大事なものを1つ授けると約束すると会いたい人に会える。そんな噂がこの神社にはあった。 俺にはどうしても会いたい人がいる。 神社の裏に周り、その木を探す。他のより大きめで1つ離れたところにあるらしい。 「これか」 目の前にある大木。葉が上から照りつける日差しを遮り、涼しく物静かな不思議な空間を作り出している。 さっそく俺は自分の大事なものを1つ授けると宣言した。次に会いたい人を思い浮かべる。 本当に会えるのだろうか......
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