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「ギィ…」という耳に付く音を立てながら、レオは倉庫の扉を開ける。
異変はその瞬間に起きた。
自動で明かりが灯ったのだ。
コンビニのトイレに入ったつもりはない。
しかしレオの目に飛び込んできたのは、これもまた廃れた倉庫の有様。
大きさはちょうど市民体育館アリーナほどだ。
これでもかというほど埃の溜まった、収穫した穀類を詰めていたと思われる巨大なタンクが壁一面を覆っている。
フロアには放置された農機具、ベルトコンベアー、何が入っているのかすら分からない木箱が無数。
農機具類にハーベスターだの籾摺り機だのがあるのを見ると、この倉庫では主に穀類を管理していたと思われる。
だが、なぜ照明が生きている。
扉を開けたその体勢のまま、レオは足を固める。
埃を被ったそれらをよく見ると、時々手と足の跡を見つけることができた。
間違いない。
この場所に誰かが来ている。
しかもごくごく最近。
ワイルドウイングに指定されたこの座標の建物に。
「おーい! 誰かいるか!」
レオは少しだけ勇気を出して声をあげてみる。
だが返事はない。
だが、ここにワイルドウイングの人間がいるのはもはや間違いない。
身体を内部に入れ、レオは扉を閉めた。
腕時計を見る。
「23:59」と、デジタル時計は示していた。
日付が変わるまであと15秒。
きっとヤツらは日付が変わった瞬間に現れることだろう。
そして俺に大金を差し出す。
ヤツらはどんな登場をしてきて、どんな風に俺に頭を下げるのだろう。
場所に間違いがないと分かった今は、それが楽しみで仕方がない。
レオはただただその時を待った。
鼻歌を歌いながら。
5、4、3、2、1。
ギィ…
向かいの壁のドアが開く。
さぁ、ヤツらはどん格好をしているのだろう。
レオは目を凝らし、倉庫に入ってきた人間を睨みつけた。
「……あ?」
───アメフト選手のような白いアーマースーツを着込んだその人間は、サブマシンガンを手にしていた。
ズダダダダダダダダダダッ!!!!
ズダダダダダダダダダダッ!!!!
ズダダダダダダダダダダッ!!!!
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