さっきまで寝てた女

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  ダァンッ!!!! レオは助走を付け、鉄板に向け渾身の飛び蹴りを喰らわす。 大人三人が支えていた鉄板はレオの蹴り一つで、鈍く大きな音を立ててあっけなく倒れた。 敵の三人は全員鉄板の下敷きになり、レオは踏み倒すようにして三人と鉄板の上に着地する。 三人は頭だけを鉄板から出し、首から下は身動きが取れない様子。 三人が協力して鉄板を起こす前に、レオは鉄板の上から三人のうち二人の顔面を踏み付けた。 そして残りの一人へ。 レオに撃たれた一人、鉄板の下敷きになった二人、そしてまだ意識のある一人へ。 レオはその一人の真上にしゃがみ込み、その白い覆面を無理矢理剥ぎ取った。 覆面の下は二十歳になろうかという年齢の男だった。 目鼻立ちが通った厳つい顔面と黒いバンダナタオルを巻いたレオとは対照的に、その男は中性的な顔面と茶色いウルフヘアーを持っている。 綺麗な顔立ちだが、その青年は必死に抗おうとレオを睨みつけている。 「おい、お前。ワイルドウイングとかってヤツの一味だな?」 「……ああ、そうだよ」 「歓迎してんだかふざけてんだか分かんねぇが、マジでしゃらくせぇ。俺は代表者と話がしてぇんだよ」 「なら僕なんかに構うな。さっさと他のを全滅させなよ」 「しゃらくせぇっつってんだろうが!!!!」 レオの声が青年の鼓膜を貫く。 「いつまでこんなこと続ける気だ? テメェらに用はねぇんだよ。俺を雇ってくれる天使はどこに隠れてんだって聞いてんだよ」 「……まだだね」 「なに?」 「まだ来ていない」 「はぁ!? 時間を指定したのはお前らのほうだろうが!」 「まだ来てないのはボスじゃない」 「はっきりしろ! お前は何を言いてぇんだよ!!!!」 「君だけじゃ弱すぎるんだ、レオナルド・クレンツェ」 青年がその言葉を発したその時、序盤でレオに撃たれた最初の一人がヨロヨロと立ち上がった。 青年に食ってかかっているレオはそれに気づかない。 引き金に指をかけ、レオにサイトを合わせ、そして……。   パァンッ!! 「ぐぁッ!!??」  
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