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地球とは一億光年ほど離れた場所にある惑星。
そこの惑星は、20XX年にできたとされている。
なぜ、そんな惑星が突如、現れたのか?
答えは簡単だ。
そこに、異能者。
つまり、能力者が生息しているのだ。
その惑星には齢二十歳の女王と、二十八になる従者、そして、年齢不詳の神様。それを支える妻、それから、地球人、が暮らしている。
だが、決して平和的な日常とは言い難い。
もしも、スリル満点の場所はどこだ?と聞かれれば、間違いなくここだと答えられる。
なぜならば、そこには……。
生も死も超越してしまったパラレルワールド。
いわゆる、幻と現実のはざまにあるブラック・ホールのような場所なのだから。
さぁ、覗いてみよう。
非日常的なファンタスティックな日常を。
彼らにとってそれは普遍的なことなのですから……。
―――普通ってなんですか?
少女の声は誰にも届かず、闇に消え。
―――どうしたら、みんな私を愛してくれるの?
少女は叫ぶ。
ただ、悲しくて。
ただ、悔しくて。
―――少しだけ、能力ーちからーが使えるだけなのに。
“異常者”
“異能者”
“気持ち悪い”
だから、少女は創り上げた。
自分が逃げ込める唯一の居場所。
自分の能力が認められる世界を。
自分が自分らしく生きられる場所を。
「神様、いるのなら叶えてください」
少女は雨の日に願う。
ずぶ濡れになるのも厭わずに。
「私の願いを叶えてください」
まるで、答えるように雨足が強くなる。
少女は、濡れてべたついた髪も、べったりと張り付いた服の不快感も、
気にせずに。
少女は願う。
世界を創りたいと。
こんな世界で生きるより別世界で生きたほうがいい、と。
天界でも、暇な神は少女の願いを聞いていた。
突如、現れた人間の能力化。
一部の人間だけで、まだ、有名ではないので。迫害や差別を受けることは容易に想像できるだろう。
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