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小さな騎士のその言葉にアリスは嬉しそうに微笑んだ。
真っ直ぐで無邪気な感情。
「守ろうね。二人でこの子を」
シンはふっくらとしたその手を竜牙の手に合わせる。
小さくまだ何もすくえないようなその手を彼はバカにしようとは思わなかった。
なぜなら、希望があったから。
真っ白なこの世界に色を付けようとしているこの2人を見守りたくなった。
竜牙はシンに手を重ねられながら力強く頷く。あんな灰色の世界から救ってくれたアリスを絶対に守る。
異能者と呼ばれ迫害されたあの悲しい世界。
そんな世界から抜け出させてくれた。
自分と年も変わらないであろ少女が。
能力を使って。
シンは、年端も行かぬアリスを見つめる。
「女王、これから、どうするの?」
その言葉に短く彼女は答えた。
「能力者を集める」
安穏の地を求め少女は、世界を創り上げる。
「まほうは効いているのよね? だとしたら、この世界とは別に新しい世界ができていると思うんだけど?」
物怖じもしない態度に黒岩は笑む。それは肯定。
新しく作られた世界はパラレルワールドとして存在する。
アリスにそう説明すると、彼女は満足気に頷き、竜牙を見た。
「騎士さん、私の言うことはなんでも聞いてね?」
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