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「盛り上がりに欠けてるし、思い描いた理想の結婚じゃないけど、不思議と迷ってないんだよね」
「誰が何と言おうと、麻紀が感じることが全てじゃない?
それでいいんだよ。
私は信じてるよ」
ああ泣きそう、と麻紀が笑った。
本当に涙を零していて、
それを見ると私も鼻がツンとする。
「九州なんて、もう簡単に会えなくなるね。寂しいな」
「博多だから飛行機ですぐ帰って来られるよ。だから谷本君は心配してるけどね、逃げられるって」
いろんな思い出話をするうちに
最後は二人とも泣き笑いになった。
麻紀と別れた帰り道、
ふと気が向いて、
久々に一人公園に足を向けた。
「……さむっ…」
秋も深く夜の冷え込みが厳しい。
もう、ここで飲む季節も終わりなんだなと思う。
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