偶然と疑惑

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副社長から経企室にポンと投げられ、私達二人に降りてきた命題。 まずは北米地域をモデルに絞り、 動きだしてはいるけれど。 総勢25名の経企室から、この突然降ってわいた命題に割ける人員はせいぜい二名程度だ。 主任クラスを充てても、 一人はにわか主任の私、 もう一人はにわか経企室の片桐さん。 たとえ片桐さんが米州部の元エースであっても、海事側の経企室に対する態度は厳しかった。 「今さらだけど、副社長がどんなイメージで指示を出したのかが分かればね」 片桐さんがため息をついた。 「それが経企室の仕事なんです。 曖昧なお告げの真意を推して計るのが。 ある意味、霊媒師的なんですよ」
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