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「…相原が見たら何て言うか」
抱き合ってキスしながら戸川君が笑った。
「…相原?」
「…海事の同期の男」
「……知らないなぁ」
「…知らなくていいよ」
戸川君の首に腕を巻き付けて、
私からもキスをする。
「……うん。
これ見たら死ぬな、あいつ」
「……?」
でもしばらくじゃれると、
戸川君はまた仕事に戻ってしまう。
いつもならそのまま強引に来るのに、出張後で忙しいせいか、優しいけど少し素っ気ない。
物足りないけど、
それ以上邪魔する訳にもいかず、
私も渋々仕事に戻る。
そんなことを繰り返す、
久々の二人の時間。
これから怒濤の勢いで忙しくなることを思うとこの時間が貴重で、くっつかずにはいられなかった。
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