偶然と疑惑

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「片桐さんが振られるってのは 信じられないですけどね」 「でも成瀬さんもそう言いながら 好きになるのは戸川君でしょ?」 「ああ…そうかも」 片桐さんは完璧すぎて、 人間味が分かりにくいのかもしれない。 「はは、否定しないのがいいね」 片桐さんとコンビを組んで半月、プライベートの話も本音で話せるぐらいに仲良くなった。 「実はね、僕、戸川君を恨んでたことがあるんだよね」 「えっ?」 「結局、僕の勘違いだったけど」 「どんな恨みを?」 「続きは飲みに行った時 ね」 「気になるじゃないですか!」 「彼は悪くないし笑い話だから気にしないで。 これで僕と飲みに行きたくなったでしょ?」 はい休憩終わり、と意地悪する片桐さんを睨みつつ仕事に戻った。
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