偶然と疑惑

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翌週の金曜日。麻紀から久々に ティールームのお誘いがあった。 戸川君欠乏症の私は麻紀に愚痴りたくて、 なんとか仕事を切り上けた。 戸川君は水曜日の帰国予定が伸びて日曜日になったらしく、週末に会える望みはなさそうで、強がってみてもやっぱり寂しくて仕方ない。 「二回も続けて週末会えないし、 来週も休日出勤の可能性濃厚らしいし。 連絡もほとんどないし」 この二週間で合計三通。 着いたよメール、 遅れるかもメール、 帰国予定を知らせるメールが来ただけ。 どれも相変わらず要点だけの短文だ。 「業務連絡かってメールだよ」 「でも、あの戸川君が顔文字だらけのベタ甘メール送ってきてもひくでしょうが」 「確かにね」 そうだ、私は放っておかれるのに強いサボテンなんだから。 「まあ今までだって、平日は連絡とらないこと多かったし!」 そう一人で言い訳してまた無理矢理納得する。これの繰り返しだ。
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