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「さっき、済んだよ…濃いの」
「もっと、だよ。…足りてない」
「食器、片付けないと」
「後で俺がやっとく」
なんだかんだ言いつつも、
そのまま彼に身を任せる。
湯上がりの肌が、
さらに熱を帯びていく。
明るすぎる部屋でも、
もう構っていられなかった。
激しいキスの合間に、
途切れ途切れに好きと囁いた。
余裕の態度で励ましてくれた戸川君だったけど、内心は複雑なんだと思う。
お風呂で何気なしに片桐さんの話題を出した時、キスで遮られた。
彼の優しさに甘えていた自分を反省した。
だから、やっぱり私は体力を削ってでも彼の傍にいて、気持ちを伝え続けようと思った。
でもこの夜を境に、
その努力は空回りしていく。
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