偶然と疑惑 #2

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「さっき、済んだよ…濃いの」 「もっと、だよ。…足りてない」 「食器、片付けないと」 「後で俺がやっとく」 なんだかんだ言いつつも、 そのまま彼に身を任せる。 湯上がりの肌が、 さらに熱を帯びていく。 明るすぎる部屋でも、 もう構っていられなかった。 激しいキスの合間に、 途切れ途切れに好きと囁いた。 余裕の態度で励ましてくれた戸川君だったけど、内心は複雑なんだと思う。 お風呂で何気なしに片桐さんの話題を出した時、キスで遮られた。 彼の優しさに甘えていた自分を反省した。 だから、やっぱり私は体力を削ってでも彼の傍にいて、気持ちを伝え続けようと思った。 でもこの夜を境に、 その努力は空回りしていく。
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