偶然と疑惑 #2

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その週末の金曜日、 一回目の泊まり込みがあった。 一晩頑張れば土曜の午前中に解放されるので、戸川君と会うのに支障はない。 …はずだけど、睡眠二時間の半徹明けはやっぱりきつい。 もうすぐ28歳。 去年よりも徹夜が身にこたえるのは、やっぱりアラサーってことなんだろうか。 「どうせ寝かせてくれないなら、 会議室だけでいいじゃないですか。 わざわざ部屋とらなくても!」 一番若いくせに、 三浦君の文句が一番多い。 「まあまあ。 ふかふかのベッドが待ってると思うと、モチベーションも上がるってもんだよ」 「たった二時間ですよ、寝たの」 「…あの、お二方。 私、お先に失礼しますね。 お疲れさまです」 「あ、先輩! 昼飯付き合ってくれないんですか?」 煩い三浦君とそれをなだめる片桐さんにさっさと別れを告げて、自宅に急ぐ。 もう一度シャワーを浴びて着替えてから、戸川君のマンションに向かった。
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