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その週末の金曜日、
一回目の泊まり込みがあった。
一晩頑張れば土曜の午前中に解放されるので、戸川君と会うのに支障はない。
…はずだけど、睡眠二時間の半徹明けはやっぱりきつい。
もうすぐ28歳。
去年よりも徹夜が身にこたえるのは、やっぱりアラサーってことなんだろうか。
「どうせ寝かせてくれないなら、
会議室だけでいいじゃないですか。
わざわざ部屋とらなくても!」
一番若いくせに、
三浦君の文句が一番多い。
「まあまあ。
ふかふかのベッドが待ってると思うと、モチベーションも上がるってもんだよ」
「たった二時間ですよ、寝たの」
「…あの、お二方。
私、お先に失礼しますね。
お疲れさまです」
「あ、先輩!
昼飯付き合ってくれないんですか?」
煩い三浦君とそれをなだめる片桐さんにさっさと別れを告げて、自宅に急ぐ。
もう一度シャワーを浴びて着替えてから、戸川君のマンションに向かった。
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