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その通りだと思う。
無理って言いたくなくて、
全て引き受けて、いつもパンク寸前だ。
「でないといつか壊れるぞ。
その方が周りは迷惑だろ?」
「うん…」
言い過ぎたと思ったのか、
少し萎れた私の頭を
戸川君が手荒く撫でた。
「でもその健気な頑張りが、
いい所でもあるんだけどな」
髪がぐしゃぐしゃだけど、
何か幸せだ。
目を瞑って、
おとなしくされるがままになる。
「でも体壊す前に、切り捨てられるものはそうしないと。
今日だってフラフラだろ。
しんどい時は無理しないで、
家で寝てろよ」
「でも!」
思わず勢いよく顔を上げた。
無理をしてでも、
戸川君と一緒にいたいの。
…と、なかなか照れて言えない。
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