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「そういう時代の流れなんですよ。一昔前では、誰も気に止めなかった血液型や星座で、運勢を占いなんてことをやっていたんですから。今でも使っているではないですか」
「そうだが・・・」
バーテンダーが間違ったことを言っていないのは分かっている。ここまで流行った占いを頑なに拒絶している俺の方が異端なのだ。だが、どうしてもこの前世動物占いは受け入れることはできない。元を辿れば、動物も人間も同じ、俺が創ったモノなんだ。それを、こんなくだらない占いなんかで台無しにしやがって。
何を言っているのかって?俺は間違ったことは言っていない。少し前に流行した神様占いで、俺は全知全能の神だと尊敬する占い師から言われた。この世の事象も全て俺が創ったのだと。創造主に等しい存在だと知った俺は嬉しかった。嬉しくて、嬉しくて仕方なかったというのに、前世動物占いなんかが流行ったせいで、誰も全知全能の神といわれた俺に感心を寄せなくなった。
「本当に、前世動物占いなんて、くだらない」
俺は憂さを晴らすようにグラスに残っていた酒を一気に飲み干した。
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