ダンジョンは地下にある(序)

迷い込む

［戦え。そして、喰らい合え。］
また頭の中に響いてきた。
戦うのは いいけど食うのは、ちょっと。
そんな事を考えている内に もう目前に迫っていた。
手を伸ばせば、届きそうな距離にいる。

『ア゛ァ゛ァ゛ァ゛』
近くに来て、唸り声の様なものを発しているのに気が付いた。
更に恐怖を掻き立てる。

｢クソっ!!｣
どうする事も出来ずに 女と思える方の脇を すり抜け様としたが、肩を掴まれた。
物凄い力だ。
振りほどく事が出来ない。