迷い込む

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白髪混じりの長い髪を後ろで纏め、髭にも白いものが混ざっている。 これだけなら、普通のオッサンだ。 でもボスと呼ばれる男の左腕は…… 「怖がらせてしまった様だね。 そうだよ。 俺の左腕は、蟹の爪さ。 鉄骨程度なら、断ち切れる。」 にこやかに 優しい言葉だが、その爪を動かして 【ギチッ、ギチッ】 と音を鳴らした。 確かに挟まれれば、ただでは済まないだろうと思った。 一気に緊張感が高まり、身を固くした。 額に汗が流れる。
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