迷い込む

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「ミルクまで、使うんですか?」 沙織は、僕にではなくハサミ人間に そう言った。 ミルクを入れる事が、そんなにダメな事なのか? 「彼は、まだ来て間もない。 落ち着く為には、温かい飲み物に限るからね。 ミルク位なら、安いもんだよ。 さぁ、どうぞ。」 小さなミルクポットを差し出された。 「ありがとうございます。」 2人の会話を不思議に思いながらも受け取り、少しミルクを入れたコーヒーに口を付ける。 少しマイルドになった苦味と香りで、凄く癒された気がした。 強張った体から、余分な力が抜ける。
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