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ただ、走っていく沙織の背中を見ていると
「キミは、よくやった。」
そう言い残し、ボスも僕の脇を抜けて、デカイ犬へ向かっていく。
コウだけが震えて立ち尽くし、他の皆は、血だらけになりながらも怯まずに戦っている。
獲物に群がる蟻の様だと思った。
何か出来る事を…とも思うが、体が動かない。動いてくれない。
それでもボスや沙織から、目が離せず見ているだけしか出来ない自分に複雑な心境も浮かぶ。
そんな中、犬と目が合った。
頭がパックリと割れて、頭全体が口の様になっていても目がある。
それが、僕を見た。
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