第二話 『竜の森』

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リリスの巣は縦三メートル、横五メートルの小さい入口だ。 話によると竜としての集まりの場は他にあって、自分は人化して入るからこれくらいでいいのだとか。 洞窟の前で俺はリリスから降りる。 するとリリスは、一声上げると人の姿になった、姿は美少女だ、白髪は背中まで長く、目は大きく睫毛が長い、そして、少女ながらどこか色っぽさを感じる、胸はそこまで大きくない。 リリスは裸足にワンピース姿だ、何故彼女が服を着ているのかというと、自分の魔力を布にして、人化時には服を着た状態でなることが出来るというわけだ、大体の竜はそうしている、人化出来る者に限られるが。 「なんですか?そんなに私を見つめて、もしかしてエッチなこと考えてましたか?裸を見れるんじゃないとか?」 「女の裸に興味のない男はいないですよ、不能じゃない限り。あと俺は全裸目的とかじゃないです。会話するんじゃなかったのですか?」 「あ、そうでした。では私の家へどうぞ、ユウさん」 リリスの後をついていくと、十メートルの道を進むとかなり広い生活スペースが広がっていた。 寝台があって、台所、食器棚、テーブル、ソファーなどが揃っている。 「ソファーに座って下さい。今紅茶入れますから」 「分かりました」 俺は大人しくソファーに座る、洞窟内の壁には火属性の魔力の篭った石が嵌めこまれていて、辺りを照らしているので、暗くはない。 まあ、俺は暗くても明るくても見えるんで問題ないんだが。 あと、俺が敬語なのは一応敬意を払ってのことだ、見た目は少女だが俺よりずっと年上だからな。
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