第二話 『竜の森』

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俺は白くなった髪の毛を掻きむしりながら、どうするか考える。 俺は今白髪で、目の色はオパール色なのだ、勇者の時はこの見た目で気にせず活動していた、だが今は元勇者、別に勇者がいて俺の親友が魔王を倒すべく頑張っているのだ、俺が出張っていいところではない、勿論正明が魔王討伐を宣言した時は陰ながら助けるつもりでいた。 でも俺の容姿目立ちすぎる……、オパールなんてこの世界は無いからそりゃー目立つ色だろう。 俺の髪と目の色を変えていたのは、賢者(カイム)と呼ばれていた龍族作った特別製の魔法薬だ、普通の魔法薬では俺の魔力量が影響して、色の変化は起きなかった、つまり俺が飲んだ紅茶には賢者お手製の魔法薬の解毒剤が入っていたということになる。 つまり黒に戻したかったら、賢者を探さなければいけない、てかこれ絶対賢者仕組んだだろ。 俺は幻影魔法なんて使えないしな、幻影魔法は相手の認識を操作する魔法だが特殊な属性で俺には使えない。 日本に帰る事になったら、この見た目は拙いからな、まあ、今のところ帰ることにはなってないし、保留だな、結局人里に行くときは黒髪だったころもローブで隠すつもりだったしな、てか色々考えても空回りするだけな気がするし、流れに身を任せるか。 「やりやがったな、リリス?」 今の俺は殺気は出してないが、威圧感はあるだろう、そして今は魔力を隠していない。 笑顔だったリリスは、今は顔を真っ青にして涙を浮かべながら、俺を恐怖の象徴を見ているのだという顔をしている。 竜や龍はとても魔力に敏感な生物で、魔力の量で立場を決めるちょっと特殊な生物だ。 俺は言葉もまともに話せそうにないので、魔力を体内にしまう。 しばしの沈黙の後、リリスから返ってきた言葉は「ごめんなさい」だった。 俺は勿論反省しているようなので許した、リリスから話を聞くとやはり賢者が関わっていたようで「ユウ、勇者が現れたら飲ませてみろ。きっと気にいるものが見れるぞ」と言われ薬を渡されたそうだ。 そしてリリスは会話をすると言ったは罠だったことも自白した。 俺は時魔法で割れたティーカップを元に戻しながら、ため息を吐いた。 (賢者の奴、人で遊ぶなよ……)
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