第三話 『来訪者』

5/7
前へ
/111ページ
次へ
『私が行きましょう、私はもう老竜子孫を残すことは出来ませんし、ここで無用な争いを起こすよりは私が行ったほうが……』 光属性の瞳は橙の老竜、名をリファリアという八メートルある立派な体格の女性だ。 『待て、リファリア。俺はちょっと個人的に今発言したやつに、用事が出来た。俺がいいと言うまで待機してくれ、最終的には行ってもらうことになるが、リファリアが向こうに行って悲しい思いをしないようにするだけだ』 『分かりました。ユウ様』 俺は隠れていたが、フードを被り、正明と十メートルくらいのところに歩いて移動する、そして左手で持っていた武器を正明に向ける。 「俺と戦え、お前の腐った精神叩きなおしてやる」 「え!?その声、勇……?」 俺は何も言わずに身体を魔力で強化し、瞬時に正明との距離を詰め、武器を両手で正明に当てる気で攻撃する。 正明は聖剣を持っていたので、急いで大量の魔力を込め、防ごうとする。 俺は聖剣に武器が当たる瞬間だけ瞬時に破壊属性の魔力を込める。 役目を果たせないまま聖剣は俺の武器に切られ、本体から切り離された刃は空中を舞いながら霧散する。 驚きと恐怖の表情を浮かべ、正明は衝撃で尻もちを着き剣を離してしまった。 俺の武器は正明の首に到達する寸前で止められている。 旅団からは動揺の声が聞こえる。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2248人が本棚に入れています
本棚に追加