2248人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんで?というか、勇、すぐに国出て行ったの、お金もあったんだし勉強してから国出ても良かったよね?心配したんだよ?それにしても魔力が無いのに、どうやって魔力得たの?一ヶ月で無い魔力を引き上げるなんて聞いたこと無いよ?」
「ああ、異世界に慣れたかったから、早めに国を出たんだ。それに俺がいたら正明に迷惑がかかると思ったからな。魔力を得たのは成り行きってことにしてくれ」
「うーん、分かったよ。言いたくないなら聞かないでおくよ。生きてて良かった……」
正明は俺を見て安心した表情を浮かべ、涙を袖で拭いて起き上がった。
『リファリア、話はついたからこっちに来ていいぞ』
リファリアはゆっくりと俺達の横に舞い降りた。
「正明、この竜はリファリアっていう名前なんだ。女性なんだから優しくしてやってくれよ?」
「わかったよ。よろしくねリファリア、僕は正明って言うんだ。仲間になってくれるかな?」
リファリアは正明に頬ずりをする、友好の証だ。
「よかったな、仲良くしてくれるそうだ」
「そうだね、あ、忘れるところだった……」
正明は聖剣を拾い再生させると鞘にしまう。
「勇はずっとここに住んでるの?」
「どうだろうな、気分次第ってやつだ」
「それじゃあ、来たらいつでも会えるってわけじゃないんだね」
「そうなるな」
「じゃあ、またいつか会おうね」
「当たり前だろ?」
正明はリファリアと一緒に、旅団の方へ帰っていった。
旅団が見えなくなるまで皆でずっと見つめていたが、森を抜けて行ったので警戒態勢を解き、リリスが『警戒解除』と一声上げ伝えると皆巣へと戻っていった。
(これで良かったのだろうか)
最初のコメントを投稿しよう!