第三話 『来訪者』

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「なんで?というか、勇、すぐに国出て行ったの、お金もあったんだし勉強してから国出ても良かったよね?心配したんだよ?それにしても魔力が無いのに、どうやって魔力得たの?一ヶ月で無い魔力を引き上げるなんて聞いたこと無いよ?」 「ああ、異世界に慣れたかったから、早めに国を出たんだ。それに俺がいたら正明に迷惑がかかると思ったからな。魔力を得たのは成り行きってことにしてくれ」 「うーん、分かったよ。言いたくないなら聞かないでおくよ。生きてて良かった……」 正明は俺を見て安心した表情を浮かべ、涙を袖で拭いて起き上がった。 『リファリア、話はついたからこっちに来ていいぞ』 リファリアはゆっくりと俺達の横に舞い降りた。 「正明、この竜はリファリアっていう名前なんだ。女性なんだから優しくしてやってくれよ?」 「わかったよ。よろしくねリファリア、僕は正明って言うんだ。仲間になってくれるかな?」 リファリアは正明に頬ずりをする、友好の証だ。 「よかったな、仲良くしてくれるそうだ」 「そうだね、あ、忘れるところだった……」 正明は聖剣を拾い再生させると鞘にしまう。 「勇はずっとここに住んでるの?」 「どうだろうな、気分次第ってやつだ」 「それじゃあ、来たらいつでも会えるってわけじゃないんだね」 「そうなるな」 「じゃあ、またいつか会おうね」 「当たり前だろ?」 正明はリファリアと一緒に、旅団の方へ帰っていった。 旅団が見えなくなるまで皆でずっと見つめていたが、森を抜けて行ったので警戒態勢を解き、リリスが『警戒解除』と一声上げ伝えると皆巣へと戻っていった。 (これで良かったのだろうか)
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