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正明が来てから数日後、リリスは俺に甘えるというか、ベダベタくっついてくるようになった。
それに匂いが変わった、甘い匂いをリリスから感じる。
多分リリスは発情期なのだと思う、雌の竜は発情すると匂いがかわり、異性に甘えたがると言うか、くっつきたがる。
異性でも自分と同等もしくはそれ以上の、魔力量の持つものにしか興味を示さないのだ。
まあ、強い子孫を残さないといけないから、仕方ないとは思うが、無論人間と竜とでは子供はできない。
リリスは一度俺の魔力に触れ量を知っているからこそ、俺に対して発情してしまっているに違いない。
俺がいたら、リリスや他の雌の竜に悪影響だな。
そろそろ、拠点移す時期か……。
今は夜のベッドで抱きまくら代わりにされている。
「なあ、リリス、俺はそろそろ拠点を変えようと思うんだ、勿論良くしてくれたことには、感謝してるし、ここが嫌になったわけじゃない」
「なら、どうして拠点を変えるなんて、言うんですか?私はずっとユウさんと一緒に居たいです……」
「リリス、隠してるつもりだろうが、発情してるだろ?」
「え?え?」
リリスは顔を真赤にさせながら、俺の背中に顔を埋めているのだろう、背中に吐いた息が暖かく感じる。
「俺がいると、雌の竜が発情期来た時困るし、俺も発情されてるのは困るからな、だからここを出て行くことにした」
「そうですか、分かりました。引き止めたりしません……」
少し涙声のリリスだが、了承してくれたようだ。
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