第十五話『会話』

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「人殺し……」 「あとここに来てる奴は一年ならまだ覚悟はできていないだろうが、五年生になったら戦争に行くから魔族を倒す決心は普通に身についてる、相手が人間だってのは知らないがな」 「なんで勇は僕に魔族が人間だって話したの?知らなかったら僕は決心は揺るがなかったのに!」 「ただ魔王を殺して平和になるか?俺はな正明に人間と魔族との橋渡しになって欲しいから言ったんだ。分かったか?」 「僕はそんな重要なことできないよ」 「勇者である正明にしかできないことだ、今は決められないかもしれないが、時が来れば理解してくれるよな?」 「分からないよ……」 昼休みが終わる鐘がなる、その音と共に正明はトレーを片付け走って俺の前から消えていった。 正明はきっと理解してくれると思う、俺は正明を信じると決めた。 俺はゆっくり食事をしながら外を見る、ガラスの張られた窓の外を見れば、晴天だ、太陽の眩しさを感じるが、それが心地よくも感じる、正明には太陽の様に皆に笑顔を与えられる人間になって欲しい、俺にはそれができなかったからな。 俺が魔王討伐で皆に与えたのは希望だったかもしれない、だが俺は周りを見ず、多数の犠牲者が出た、人口も人間・亜人・魔族共に大打撃を与えるものだった。 その時に九頭竜も壊され何十万の死者もでた、俺は自分の力を振りかざし魔王を討伐したが、その被害から陰ではその時のことを鮮血戦争(ブラッド・ホロウ)と呼ばれていた。 俺は地球に帰されてから、何がいけなかったのか必死で考えたけど、理解したのは高校一年の時だったな。 なんで俺は人や竜、生きてる者を守ることを選択しなかったのかって凄く後悔した、だから今は人が死ぬのは見過ごせないからな、それがいいのか悪いのかは分からないが、俺は助けたいと思っているのは間違いない。
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