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カタカタとキーボードを叩く音に、せわしく書類をめくる音。
そして、すっかり聞きなれた外線の音がいつも通りにフロアに響く。
2ヵ月の契約で勤める予定の派遣先の商社。今回は、繁忙期の営業の補佐を任されている。
派遣を始めて6年目。
もう、すでに何社目かは忘れたけれど、商社は慣れたもので、女性正社員のベテランの域に達していると思う。
すでに半分の1ヶ月が経過し、今日も順調に時が過ぎていた。
そして、定時を迎えPC画面を閉じかけた時だった。
「早川さん、ちょっといいかな?」
人目を忍んで連れて来られた夕暮れ時の会社の屋上。
目の前には、今回の派遣先商社の補佐のお相手で、社内ナンバーワンと言われているイイ男。
さっきから、少し照れながらも、熱い視線で、私を見つめる彼。
そして、少し頬を紅潮させる私。
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