勇者風味

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冷たさを感じて 薄い感覚だけを頼りに ゆっくりと掴んで 弱々しく強く握る 触覚に揺られて 口元が緩んだ 口角をあげるつもりは ないのに 奥の奥からじわじわと 失っていないものに 温度が付いてくる 鉄パイプを繋げたお城へと 焔を背負った軍勢が 久しぶりの顔をして来るなんて 卑怯な気がした
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