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「バカだ…私…」
思い返すほどに情けなくて、
身悶えしそうだった。
戸川君は絶対落ちない、
って聞いてたじゃない。
ちょっと優しくされたからって
それを忘れるなんて。
期待して、舞い上がって、
落ち込んで、取り繕って。
大人の恋愛って、
こんなのじゃなくて、
もっとクールなんだろう。
でも私は幾つになっても不様な恋愛ばかりだ。
……。
考えれば考えるほど自己嫌悪のループに陥っていた私は、ふと顔をあげた。
彼が発した言葉を
頭の中で掻き集める。
“あの時、泣いてた”
“ごめんな”
あの時って。
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