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駅から公園までは緩やかな上り坂で、ゆっくり歩いても10分もかからない。
1週間前に来た時には恐る恐る腰掛けた彼の隣に、今日は迷いなく腰を下ろせる。
少し近くなった距離がくすぐったくて、嬉しかった。
「あー、気持ちいい」
戸川君がベンチの背もたれに仰け反った。
「うん。寝ちゃいそうだね」
「トイレでも寝る奴だからな」
「もう…寝てなかったってば」
しばらくは酔いに任せて、たわいもない会話をしながらベンチで二人、夜空を眺めた。
会話が途切れても、
その沈黙すら心地よく感じられる。
夜風に当たりながら、戸川君も同じように感じてくれてたらいいなと願った。
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