唇の距離 #2

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「そうだろ? なんか腑に落ちないよな?アンタに関係ねーだろって全部跳ね返したけど。 小野寺と知り合いじゃないだろ? 恨み買ったとか」 「全然!崎田さんのマンションが初対面だったと思うよ」 「なんか不気味なんだよな。 そういえば昨日、面白いもん見たぞ」 戸川君が立ち上がって ゴミ箱に空き缶を投げ入れた。 「崎田が席はずした隙に、小野寺が崎田の携帯隠したんだよ。電源切ってな。そのくせ崎田と一緒になって携帯探すフリしてて呆れた。かなりの腹黒だな」 「へぇ…なんでそんなことを」 「どうせ履歴とか覗くんだろ? 位置情報とか変なソフト仕込みそうだよな、あの腹黒なら」 「それで、どうなったの?」 「知らね。崎田が携帯なくしたって焦ってるのが笑えたから放置しといた」
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