唇の距離 #2

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「……もう大丈夫なのか?」 しばらく黙っていた戸川君が 背中越しに聞いてきた。 「何が?」 チューハイの空き缶をペコペコ潰しながら、何気なく聞き返した。 「…まだ辛いんだろ?」 意外な言葉と、 どこか力のない彼の声音に、 空き缶を潰す手を止めた。 彼の背中を見つめるけれど、 何も読み取れない。
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