唇の距離 #2

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間近で視線が絡み合う。 抱き締められて密着する体も、 彼の腕が支える背中も、 痺れるように熱を持った。 触れてほしい。 …もう一度、唇で。 そう思った。 空き缶が私の手から滑り落ちて、 足元のどこかで音を立てた。 もっと彼に触れたくて、 彼の肩のシャツをキュッと握ると、 腰に回されていた戸川君の右手が そっと私の頬に触れた。
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