唇の距離 #2

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「今回も同じマンションに決めて 明日引っ越し。 それで準備してたわけ」 先付をつまみながら、 戸川君が自分の服装を指差した。 「じゃ、またここに住むんだ?」 嬉しくて、思わず気持ちそのままの笑顔になった。 些細なことでも何でも、彼と繋がりが増えるのがすごく嬉しい。 「うん。慣れてるしな。 多分そんなに長く住むこともないから。 また赴任もあるだろうし」 「えー…。 帰ってきたばっかりなのに?」 「留学は赴任としてカウントされないからな。 実務に慣れたらすぐにでも海外行きたいし、人事にも希望出してる」 「そうなんだ…」
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