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「だから、職種に幅のある大企業に入って、課せられる仕事を乗り越えていけば、何か見つかるかなって」
「自分の適性は、客観的な判断に委ねてみるってことだよな」
「そう」
「で、なんか見つかった?」
「うーん…。まだ、かな」
二十代後半になってもまだ夢が定まらない自分が恥ずかしかった。
「マーケティングはまったく未経験で手探りだけど、完全に究めるまでは投げ出さない、と思って頑張ってきた。でも…」
結局は机上の空論と
揶揄されてること。
会社の役に立てているのか、
疑問を感じていること。
「…まだまだ、だね」
営業の戸川君に言うのはためらわれて、途中でごまかした。
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