1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら!あったよ!」
私はお目当てのリボンを見せて笑った。すると少女は私の方を見た。
「お姉ちゃん・・・。おねえ・・ちゃ・・ん」
何か雰囲気がおかしいと思ったのも遅かった。持っていたリボンが長くなり私の体に絡み付いてきた。
「あっ!・・・なっ!何これ!?」
すると目の前にいた少女が私の身長を超えて大きくなった。
「ウフフフっ。お姉ちゃん?リボン探してくれてありがとう・・・お礼に奇麗に食べてあげる。」
リボンが体に絡み付いて身動きが取れない。
「あなたは一体!?」
「私はアヤカシ。人間からは鬼とも言われているわ・・・ウフフ」
そのアヤカシは赤色の浴衣を着ていて肩をさらけ出している。
瞬間、長い髪を針のように尖らせ私の体の周りに差し向けた。
「私が欲しいのはあなたのタマシイ。私たちはそれを糧として生きているのよ。」
タマシイ?って魂?!
魂ってのは自分の心身に宿っていて・・・。と考えてる場合じゃないって!
一つ言えることは
「私を・・・殺すつもりね」
そのアヤカシは口の端を釣り上げて笑った。
「そう、そうよ!あなたのタマシイ・・・すごく美味しそうなんだもの!」
そう言いながら針のように尖った髪を私の体に這わせた。
1つの針が私の腕をなぞる。すると血が流れた。痛くて私は少し泣きそうになった。
「その顔、最高だわ。」
また1つの針の先端が背中に触った。ちょうど心臓のあたりを貫けるように。
「では、さようなら。」
最初のコメントを投稿しよう!