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時がうごくと背中に刺さるはずだった針が勢いよく空を切り、アヤカシの
体に正面から刺さった。
アヤカシは急な事態に驚きを隠せなかった。
「貴様っ!!いつのまに!?」
アヤカシに背中を向けている私に聞いてきた。
「私は・・・
私は真田英梨!真田幸村様の子孫だ!」
英梨は槍を構え、アヤカシの方を睨んだ。
「それはそれは滑稽だわ。さぞやタマシイも極上な味だろうよ!」
英梨はアヤカシのほうに走り飛んだ。
槍をアヤカシのほうに向け、勢いよく振りかざした。
しかし、それもアヤカシには読まれていた。
自分の髪で槍の攻撃を防いだ。
「真田の力はそんなものかぁ?」
アヤカシはあざ笑うように防いでる髪で槍をはじき返した。
英梨ははじき返された勢いに抵抗が出来ず、弾き飛ばされた。
「くっ・・・!まだまだよ!」
足でグッと体制を立て直しまたアヤカシに向かって走り出した。
「もう、諦めたらいかがですの?」
アヤカシの髪が足の付け根にあたり、英梨はその場にこけた。
足の付け根を見ると血が出ており、止まる気配はなかった。
「いったぁ・・。血が・・・。」
なんとか立とうとしたら目の前にアヤカシの足があった。
すると髪を英梨の体に巻き付け、首にもその髪が巻きつかれた。
「クスクス・・・。諦めが悪いお方ですこと。死ね。」
首に巻き付けられた髪が一層強く巻かれ、首を絞められた状態になった。
「あああっ!やめ・・・ろっ・・・!」
英梨は空中に締めあげられているため身動きがまったく取れない。足をバタバタさせたり、首に巻き付いてある髪をはがそうとしたり抵抗はするが全く効かない。
「はっ・・・はぁっ・・・ごほっ・・・」
英梨は己の最後を覚悟した。
その時であった。
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