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何もない真っ白な空間。
そこに私は立っていた。
「ここは・・・?」
足元は私が歩くたびに波紋が広がっていた。
すると目の前に白い着物を着た黒髪の女の人が立っていた。
「あなたは?」
私は率直に聞いた。
『私は零(れい)。あなたは真田の幸村様のご子孫ですね?』
ご子孫?
「あの、私は確かに真田といいますが幸村の子孫では・・・」
すると零さんは私に近づいてきた。
『いいえ。あなたは幸村様のご子孫に間違いありません。』
冷たい手が私の頬を触った。
『そんなあなたにお願いがあります。』
「願い?」
『近頃現世で妖怪が暴れて人に害を与えてしまってるようです・・・』
零さんの話によると、
現世(生きている世界)では私たち普通の人間には見えない妖怪たちが暴れて私たちに害を与えてしまっている。それを止めるために私のような戦国武将の子孫たちが戦っているとのこと。
「なんで戦国武将の子孫なの・・?」
『はい。遠く遠く昔、乱世の時代でした。私はその時を治める神だったのです。なので武将様たちとは縁がありまして・・・。しかし、皆さまは今この世には生きていません。なのでご子孫をと考えまして・・・」
「縁があったから私たちを選んだと・・・」
『人の縁とは限りがありません。どうか、お願いいたします。我の力では妖怪たちを止めることは出来ないのです。』
何か私の中で理解しがたいものがあったけど、なぜか使命感が私の中であった。
「うん。わかった。困ってる人をほうっておけないしね」
『有難うございます!この零、幸村様を全力でお守りします。』
「あ、いや。私幸村じゃないよ?英梨って言います。」
『英梨様・・・。よきお名前ですこと』
それから私は元の世界に戻り、これから戦う日々が始まるのであった。
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