花の狼

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ある日、僕が住む岩場に君がやって来た。 ばれないように息を潜めて。 僕は、岩から覗き見ていた。 『しまった、気付かれた』 少し先の君と目が合う。 気付いた時には遅く、君は駆け寄ってきていた。 威嚇するために唸ってみたのに全然怖がらない。 さらには、その細くて白い手で僕の首を撫でてくれた。 生まれて初めての気持ちだ。 まさに、雷が落ちてきたような。 どうやら君を好きになってしまったらしい。
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